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一般社団法人日本染色協会

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合成染料の使用でタール化学の重要性認識

明治で界面活性剤工業も進歩させた

なぜ染色が明治時代の前半で繊維産業全体のキィ・インダストリーにとどまらず、日本の工業化のキィ・インダストリーになったのか、具体的に説明しましょう。

合成染料使用の増加で、タール化学工業発展の基礎づくりに貢献したからです。タール化学工業は、合成染料の生産増加以外に製薬原料の増加、ゴム用の薬剤など数多い業種分野を対象とする化学製品の国産化の基礎になったからです。

染色業が合成染料を使うことでタール化学の柱にしたからです。

合成染料を使用する染色業が明治時代で増えたことで、界面化学(合成洗剤の仲間で初期には天然物を原料としていた)を誕生させる基礎を作ったことも見落とせません。

界面化学は後に、非常に広い分野に使用されるようになりました。界面化学によって作り出す界面活性剤は染色業に必要な精練洗浄剤の生産増加を促し、その他、各用途向けの新製品を次々と開花させたからです。

染色は数多い産業の発展に一波(染色)が万波を発生させたといってよいでしょう。

明治維新の成功は染色の近代化に政府が誘導することで、近代工業化のウェブを巧みに張りめぐらし、明治維新を成功させたといってよいでしょう。

又、合成染料の使用は、応用化学研究の発展を促しました。下瀬博士、河喜多博士ら日本の化学史に残る多数の化学者が育ったことで、日本の近代工業化に大きな貢献をしました。ダイヴァース博士、アトキンソン博士の門下の人材たちによって数千の化学技師が指導を受けたことは、日本の近代化の解明で見落としてはいけないでしょう。

明治は日本の近代化にとって重要な年代になったわけですが、特に染色技法の発展を振り返ると、染色がキイ・インダストリーになった経過を知ることが出来ます。

明治の中頃まで続いた単純な染法のままでは合成染料を利用したときに効果が出ない、そのことを、当時の染工場は認識するようになったからです。

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