TOP English

一般社団法人日本染色協会

染色協会の紹介 会員会社の紹介 染協ニュース トピックス 統計資料 染色加工業とは リンク集 掲示板
 About the Industry 染色加工業とは
染め物屋と染色加工業の違い

これまで連載した染色の歴史で、アパレル業者、そして染色技術に明るくなかった人たちは、日本の染色加工業をどう理解していただいただろうか。

日本の一般的な人達に対して染色加工業があらゆる学問、つまり多くの理論分野を活用して染色加工をする。その状況を、これまでの説明で大体の姿を理解してもらえたかと思う。

明治から大正、昭和に至るまで、染色に関係した人々の中から博士号取得者や、工学関係の大学教授を数多く輩出したことで証明するように、近代的染色は日本の工業社会を形成していくための十字路科学(多くの学問分野が交差すること)の位置に立ち、日本経済発展の一翼を荷ったといってよいだろう。

さて、染め物屋と近代染色(又は近代捺染)が、どの辺りから分化したのか、視点を換えて、物理的な応用変化の一例として、現在の捺染装置の進歩に至るまでを、ふり返ってみると染め物屋と近代工場への分岐した経過がよく分かる。

14世紀頃のインドにおける捺染作業では、木版にデザインを彫り、木板表面に天然染料液を塗り、布上に木板をスタンプのように押して捺染した。これをスタンパ方式と称された。現在でもインドネシアのジャワ更紗はこの方式に近い方法で行われている。

次いで型紙に相当するようなその柄を彫り、染料液を刷り込むように木製ロールで捺染した(孔版方式)。この方式では染料に粘性を付与する技術が発達した。

スタンパや木製ロール捺染は19世紀に入って、現代の金属ローラに彫刻したものを使用するローラー捺染機に発展した一方、孔版方式と木製ロール方式による捺染法は20世紀に入って、シルク紗、後にポリエステル紗使いの(20世紀後半)のフラットスクリーン捺染法やロータリースクリーン捺染機へ進化していった。

▽ 戻る ▽